葉画家 群馬直美の身近な宝物 Vol.16 春の歌声〈サンシュユ〉

春の歌声〈サンシュユ〉

ネコヤナギ

ネコヤナギの花

スイセン

下向きに咲くスイセン

フクジュソウ

ひと月で大変身のフクジュソウ

フキノトウの雄花

フキノトウの雄花

フキノトウの雌花

フキノトウの雌花

カルガモ

下見に訪れたカルガモカップル

ネコヤナギ

ネコヤナギの花と紅梅と青い空

3月7日火曜日。快晴。
昨日まで暖かかったというのに、冬の寒さに逆戻り。それでもビオトープ園の葉っぱたちは、振り返ることなく春の階段を駆け上がっている。

◆  ◆  ◆

せせらぎの辺りでずんぐりむっくりしたフクジュソウが、紅い茎をすらりと伸ばし、羽状の葉を茂らせていた。
「うわぁ、ひと月前と全く違う!」
フクジュソウの変身振りに驚き、地面に這いつくばり夢中でシャッターを切っていると、「つがいのカモが池に来ている!」

◆  ◆  ◆

というので、息を潜め除き見ると、本当だ。水面に出た平石の上で、仲むつまじく日向ぼっこしている。
見れば、カモが身を隠せる様に植栽した浮き島も、プカプカ浮いている。
カモの下見の日取りに合わせて、新調された浮き島だ。
さすが、ビオトープ園。抜かりは無い

◆  ◆  ◆

私は気配を消して池の小道を移動し、めおとカルガモをカメラに収める。
カシャッ、カシャッ。
2羽とも首を背中に折り畳み、頭とくちばしを羽の中に潜り込ませ、器用に1本足で立っている。
ビオトープ園に安心しきって眠っているのだ。
カシャッ、カシャッ。

◆  ◆  ◆

と、突然1羽が頭をもたげ、こっちを見ながら羽をふくらませはじめた。
あっ、気付かれた! どうしよう。
「怪しい者!」と思われちゃったかも……。
「大丈夫ですよ~。ここは、安心ですよ~。5月に会いましょうね~」
と、私はニコニコ後退りしてカモから遠ざかった。

◆  ◆  ◆

「カモは、上空からビオトープ園を見つけて飛んで来るんですよ~」
と、動植物に詳しい諏訪さん。
私は空を仰ぎ見た。
高く澄んだ青い空に筋状の雲。
あぁ、群馬の空は広い。
こんなに大きな空の彼方から、ここを見つけてやって来たとは!

◆  ◆  ◆

サンシュユの黄色い花が、軽やかに歌う様に咲き始めたビオトープ園。
カモの鳴き声は、「ぐぇーぐぇー」とかなりのだみ声だけど、これもまた、春の歌声。

サンシュユ

サンシュユの花

「コンニチハ~」「春ですよ~」
「ピカピカのスプリング~」
軽やかな黄色い歌声がビオトープ園に木霊する。

こもれびの里の山下さんより1.26戴く
紙/テンペラ
size:257mm×362mm
©Naomi Gumma