葉画家 群馬直美の身近な宝物 Vol.15 春の足音〈ウメ〉

春の足音ウメ

笑顔いっぱいガクアジサイの枝とアラブの大富豪みたいな芽吹き

フキノトウに舌なめずり

秋の名残のイガグリにびっくり

艶やかな黄色いつぼみフクジュソウ

私もいっしょに芽吹きます

身の危険を感じるほどの強風吹きすさぶビオトープ園。久しぶりに、上州名物〈かかあ殿下と空っ風〉のお出ましだ。

〈かかあ殿下〉の現状はわからないけれど、〈空っ風〉はずいぶん穏やかになった。

私が高校生の頃ーー40年前までは、冬ともなれば上空遥かでゴォーゴォーと、海鳴りならぬ〈風鳴り〉がしていたものだ。
それはそれは恐ろしい風の唸り声だった。

◆  ◆  ◆

もっと遡ると「烏川の水が立ち上がっていた」のだそうだ。これは以前、高崎で乗ったタクシーの運転手さんの発言。「空っ風も雷も、だいぶ静かになったいね~」

◆  ◆  ◆

上州の気象の荒さは鎮まったというのに、世界の至る所で異常気象。大丈夫なのかな私たちの地球……。

ふと見れば、ビオトープ園のロウバイの枝から、つぼみがポロポロ。丸い黄色のつぼみで地面がびっしり。咲かないで落ちるロウバイの花。

地球のため、我らのためにエネルギーを使い果たしてしまったのだろうか。「ゴメンよ、地球。アリガトウ、ロウバイ!」と今月もまた、手を合わせてみたりする。

なんだかビオトープ園のご神木みたいになってきた。

◆  ◆  ◆

そんな木の傍らで、静かに花を咲かせ始めているのはウメの木。
ここ、ビオトープ園には、白梅・白加賀・紅梅の3種類のウメの木がある。
薬木として中国から渡来したのは、奈良時代以前とも。

せせらぎの辺りには、フキノトウ。刻んでみそ汁で頂くとおいしいのだ、と舌なめずりしていると、秋にはなかった毬栗を発見してびっくり。黒土をバックに、黄色いフクジュソウのつぼみも艶やかだ。アジサイの冬芽も、黒光りしてきている。
2月のビオトープ園に響き始めた、春の足音。

2012年11月26日
ウメの花

梅干し色のガクに、唾液が充満。唾液には若返りのホルモンがたくさん。
緑花文化士臼井さんより 3.7戴く
紙(コットマン細目)/テンペラ
size:380mm×540mm
©Naomi Gumma